子供が生まれるから育休を取得したい!
そう考えた時にどれくらいの期間取得するか計画を立てると思います。
育休の取得の期間は人それぞれです。
やはり家庭や仕事の環境、頼れる資源などが違うため、多種多様です。
しかし、判断材料になりうる考え方があります。
この記事では育休を取得する期間を考える時に知っておいて欲しい材料をお伝えします。
その判断材料とは子供の成長です。
子供の成長過程から子供の様子を想像し、あなたたち家族がどれくらいの期間取得すれば良いかを考えていきましょう。
- 育休取得の最大日数がわかる
- 男性が育休取得した場合の平均がわかる
- 子供の成長過程から、あなたの育休取得期間を考えることができる
一般的な育休期間はどれくらい?
まずは全体像を把握するため、一般的には育休期間がどれくらいなのか、最大どれくらい取得できるのか制度を確認していきます。
そもそも育休は最大どれくらいの期間取得できるの?
育休は満1歳まで、母親と父親が一緒に取得する場合は1歳2か月まで取得することができます。
これは育児・介護休業法で決められています。
養育する子供が満1歳(保育所に入所できない等、例外の場合に最長満2歳)の誕生日を迎える前日まで認められています。
男性が育休取得する期間の平均はどれくらい?
育休に関するデータは厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」で確認することができます。
令和4年度に発表調査では、育休取得をした男女はそれぞれ以下の結果となっています。
- 男性:17.3%
- 女性:80.2%
比較をすると女性よりも低い数値であることがわかります。
データを見ていくと男性の取得率は近年急激な上昇をしています。
また、令和3年度に発表された雇用均等基本調査では、男性の育休取得期間は『5日~2週間未満』が26.5%で、最も多い数値でした。
取得期間で比較した時に割合が多い順番に並び替えると上位3位までは以下の通りになります。
- 1位:5日~2週間未満・・・26.5%
- 2位:5日未満 ・・・・・・25.0%
- 3位:1~3ヵ月未満・・・・24.5%
割合を見てみると上位3位までは同じくらいになります。
男性で育休を取得した約75%の方が『5日~3ヵ月』取得したことがわかります。
ちなみに、平成30年度の調査では役70%の人が2週間未満であり、1~3ヵ月未満は11.9%でした。
そのため、男性の取得率と同様に取得する期間も伸びてきていることがわかります。
育休取得の期間で育児休業給付金は変化するの?
育休期間中は給付金があります。
1歳未満の子供の養育のための育児休業を行う場合に支給されます。
給付額は「育児休業給付金」と「出生時育児休業給付金」の支給日数で変動します。
- 合計180日まで:休業開始時賃金日額の67%
- 合計180日以降:休業開始時賃金日額の50%
出生時育児休業給付金は産後パパ育休の給付金になります。
産後パパ育休っ何?と思った方はこちらの記事をご覧下さい。
産後パパ育休だけの場合は出生時育児給付金として休業開始時賃金日額の67%が支給されます。
ちなみに、育児休業期間中は社会保険料が免除されるため、結果的に休業前の手取り賃金の約80%になります。
子供の成長過程から育休期間の取得日数を考える方法
出産から1ヵ月:育休が最も必要となる時期
- お母さんの『体』と『心』はボロボロ
- 女性はこの時期に無理をしないということが重要
- 魔の3週目や育児がスタートしたばかりなので苦戦しやすい
この期間は一番重要な時期だと思っています。
育休を取得するなら絶対に逃したくない時期です。
まずはなんと言っても出産です。
男性は産休がないため、育休を取得する場合は出産予定日から取得が可能です。
しかし、出産予定日はあくまでも予定です。
必ずその日に生まれるわけではないので、早くなる、遅くなるということがあります。
早くなる場合は、出産した日に育休開始の変更申請を行う必要があります。
申請は1週間の期間が必要になるため、育休開始は申請から1週間後になります。
そのため、早く生まれる可能性が高い場合など不安がある時は有給を取得している人が多いです。
予定日より遅くなる場合は、通常通り出産予定日から育休取得が可能です。
この際育休の終了時期は通常通り、1歳の誕生日前日まで取得が可能です。
子供が生まれる瞬間に立ち会う感動は、コトバで言い表せられないものがあります。
出産を終えた女性の “体” と “心” はボロボロの状態です。
出産後は産褥期(さんじょくき)と呼ばれています。
妊娠と出産の影響を受けた体が、妊娠前の状態に戻るまで6~8週間かかると言われています。
この数字はあくまでも目安です。
人それぞれ回復のスピードは異なります。
体の変化で1つ代表的な変化をする場所は骨盤です。
出産時は骨盤が開きます。
そのため骨盤ベルトなどを使用しながら、開いた骨盤は時間をかけて戻っていきます。
この時に無理をして動いたり、重い物を持つことをすると骨盤がしっかりと戻りきらないことがあります。
そのままの状態が続くと、骨盤の歪みに繋がります。
骨盤の歪みは腰や股関節の痛みなど様々な症状が出てきます。
実際に、この時期のお母さん達から話を聞く、オンラインの集まりに参加することがありました。
そこでは
「歩いていると足がグラグラする感じ」
「なんだか腰が定まらず不安定な気がする」
そういった声が聞かれました。
これが出産1か月くらいの女性の体です。
次にお伝えしたいのが心の状態です。
産後はホルモンバランスの乱れから精神的に不安定となります。
産後3~10日の間では30~50%のママが一過性の軽い抑うつ状態(マタニティーブルー)を発症します。
この時期に無理をして症状が重症化すると、強い抑うつ状態が続き「産後うつ病」になる可能性があります。
産後うつに関してさらに知りたいという方はこちらの記事を読んでみて下さい。
だからこそ奥様の “体” と “心” を休める必要があります。
さらに、産まれたばかりの赤ちゃんにとっては全てが初めての世界。
寝ることさえ初めてなのでとても断眠で不安定です。
泣くのはあたりまえ。
“魔の3週目”と呼ばれるのもこの時期になります。
最後にこの時期の子供の特徴をご紹介します。
- 授乳間隔(目安):2~3時間おき
- モロー反射が出現している
- 睡眠時間は1日合計16~20時間
授乳間隔の目安は2~3時間おきです。
そのためこの時期のお父さんとお母さんは断眠になります。
また、この時期はモロー反射が出現しています。
モロー反射とは、およそ生後0~4ヵ月の間出現する反射です。
急に頭を下げた時や急な大きな音などに対して、両手を広げ、指も全て伸ばして開きます。
そのご何かに抱きつくような左右対称の動作をします。
この反射により起きてしまうこともあります。
睡眠時間は16時間から20時間程度寝ていますが、上記のような特徴もあり、まとまった時間寝ているよりも、断眠であることが多いです。
この時期の寝かしつけは特に大変であり、難しいと実感しています。
先輩パパである私が、実経験からまとめた寝かしつけ方法はこちらを読んでみて下さい。
初めての子育てはお母さん、お父さん共に不安であり、手探りです。
だからこそ、この時期の助け合いはとても重要です。
2~4ヵ月:安定してくる時期
- 授乳・ミルクの量が増加する
- 首がすわる
- 視野が広がることで興味が増し、口に入れてなめることが多くなる
授乳やミルクの量が増加し、1回の睡眠時間も徐々に長くなります。
首がすわるようになってくるため、縦抱きでも頭が後ろに倒れにくくなり、楽になってきます。
また、視野が広がることで周囲に対して興味を持ちます。
色々と口に入れて舐めることも増えてきます。
このように子供が発達するため、生活にも変化が出てきます。
- 母体の回復はまだ完全ではないことが多い
- 検診や予防接種などが始まる
1回の睡眠時間が増加することや、昼夜の生活に適応してくるため、生活リズムが少しずつ出てくる時期です。
そのため親も慣れてくるため、大まかな1日のタイムスケジュールが作れます。
また、1ヵ月検診や予防接種などがあるため、夫婦で協力して乗り切りたい時期です。
5~6ヵ月:離乳食が始まる時期
- 5ヵ月ごろから人見知りや場所見知りが始まる
- 寝返りが行えるようになる
- 離乳食が始められるようになる
5ヵ月ごろから人見知りや場所見知りが始まります。
両親以外が近づく、顔をみるだけで泣き出してしまうことがあります。
徐々に寝返りが行えるようになります。
出来るようになると、連続で行っていることも多々ありますが、時々疲れきってうつ伏せのままということもあるため、目が離せなくなることもあります。
また、この時期から離乳食が始められるようになってきます。
【離乳食を始める目安の一例】
- 首がすわってしっかりしている
- 支えることで座ることができる
- 食べ物に興味がある
飲み込みをする時に頭が後ろに下がると誤嚥のリスクが高くなるため、首がしっかりとすわっている必要があります。
また、支えることで座れない状態だと頭の位置が安定しません。
そのため支えて座れることも必要です。
さらに食べ物への興味も大切です。
親が食べているのを見て、口を動かすことや手を伸ばす行動があると、離乳食を始める目安となります。
- 給付金が67%もらえるのは6ヵ月まで
- 離乳食が始まり、食事が大変になるけどかわいい
給付金の支払い額で考えると67%もらえる6ヶ月までと考える方も多いです。
この時期の大きな変化は離乳食になります。
家庭によって はじめる時期は異なりますが、だいたいこのぐらいの時期にする方が多いです。
離乳食。
正直私はなめてました。
「最初はおかゆとか柔らかめにすればいいんでしょ」
そんな甘っちょろい考えでしたが、現実は全然違いました。
おかゆと言っても10倍がゆ、7倍がゆ など段階があります。
また、アレルギーなどを考えながら、こと細かに段階があります。
そして何より作るのが大変。
昔に比べれば全然楽になったと思うのですが、それでも毎日行うのは やはり大変です。
一生懸命作っていざ食べさせると、特に最初なんかは嫌がったりする子もいます。
娘も嫌がる時がありました。
だからこそ、2人で協力していけるといいと思います。
1人で背負いこむより、2人で分けた方が軽いです。
最近はお湯をかければ離乳食が出来たり、温めるだけなんていうのもあります。
種類も豊富になり、売り場で見ているだけでも「何にしようかな」と楽しくなるほどです。
7ヵ月月以降:活動できる範囲が拡大
- ハイハイ⇒伝い歩き⇒歩くことができるようになってくる
- パチパチ、バイバイができるようになる
- 言葉のが少しずつわかるようになる
7ヵ月頃から伝い歩きが始まり、9ヵ月頃から伝い歩きが始まります。
その後歩きへと変化してきます。
まさに人類の進化を見ているようです。
複雑ば動きが出来るようになり、パチパチしたり、バイバイなどかわいらしい仕草や行動が増えてきます。
言葉も少しずつわかるようになり、反応する姿にとても嬉しくなると思います。
- 移動範囲が拡大するため、誤飲などに注意が必要
- 旅行など思い出作りができる
6ヶ月以降に関しては子どもによって成長はさまざまです。
ただ言えることは、ハイハイやつかまり立ちが出来るようになると活動の範囲が広がります。
上手にモノを掴めるようにもなります。
そのため手に届くモノは手当たり次第に口の中へ。
子どもは想像の斜め上をいくことが多いです。
「え、こんなことも」と思わず言ってしまうことばかり。
あるあるだと
「紙を食べている」
「ティッシュ全部箱から出している」
などがありますね。
だからこそ環境を整えるのも大事ですが、可能であれば親2人の目がある状態で過ごしたい時期です。
平日の空いている時期におでかけをする。
『育休』というのは子育てをするというイメージがあると思います。
それはまさにその通りだと思いますが、同時に『家族の絆を深める時間』であり、『自分自身を見つめなおす時間』でもあると僕は思います。
育休の期間は夫婦で話し合い決めましょう
この記事のおさらいです。
育休の期間を決める際に判断する材料は大きく分けると2つです。
- 給付金などお金を考慮して決める
- 子供の成長過程から想定される生活のイメージから決める
これに加えて仕事の状況などが判断材料になると思います。
育休制度と産後パパ育休を取得することで最大4回に分割が行えたり、特定の条件はありますが、一時的な仕事をすることも可能です。
様々なニーズに合わせて、育休も様々な方法が選択出来るようになりました。
ここで最も大切なことは夫婦で話し合うことです。
これから家族が増え、より密接な絆を作り上げていくためにも、お互いの考えを伝えあい、最高の育休を取得して下さい。
<著書の紹介>
私は次女が誕生した際に育休を取得しました。
育休を取得したことで、家族との時間を得られ、人生観が大きく変わりました。
子供が生まれたら必ず取得した方が良い制度です。
育休取得の際に調べた情報(とにかくわかりにくかった)をまとめ、かみ砕いて理解をしていきました。
必要な情報をわかりやすくまとめたのが『育休ファーストステップ: 育休を考えたらまず読む本 子育て悩み解決』
私が出版した書籍の中で一番の大ヒットが『パパのための育休ガイド: あなたの背中を押す!男性育休を取得する3つのポイント』
こちらは取得から育休中、さらには復帰に関する内容です。
経験談ベースのため、育休のリアルを知ることができます。
「まさか、育休初日に・・・」と、予想外の出来事が。
読んだ方からのレビューでは下記のようなコメントを頂きました。
- 「育休を取ってみようかな」と少しでも思っていらっしゃる方は必読
- 多くのパパに読んでほしい‥
- 体験談豊富な一冊
- 身近に事例が少ない「男性の育休」のイメージが湧く本
- 仕事と家庭のバランスを考える時に読む本
どちらの書籍も多くの方に読んでもらいたいため、ワンコインで購入可能です。
さらに、kindle会員であれば無料で読むことが可能です。
ぜひ読んでみて下さい。