あなたは習慣化が得意でしょうか?
習慣というのはガムシャラに行っていても、長続きしないものです。
ちょっとしたコツが必要になります。
本業は理学療法士というリハビリのお仕事をしています。
リハビリというのは日々の運動がとても大切で、いかにして習慣化できるかが重要となります。
今まで2万回以上のリハビリを通して多くの方に習慣化ということを指導してきました。
脳の機能などを上手く組み合わせていくことで、習慣化することができない人でも、できるようになります。
今回は絵本の読み聞かせの習慣化ですが、他のことでも実践できるので、ぜひ読んで習慣化するポイントをマスターしましょう。
これを読み終わった後は、読み聞かせをする習慣化が身につくでしょう。
挫折しそうな時は再度挫折を回避する方法を読み直して、習慣化していって下さい。
読み聞かせを習慣化させる3つのコツ
- 目標・目的をみつける
- 毎日決まったタイミングで行う
- 継続できる環境を作る
習慣化させるには大きく分けて上記の3つを整理していく必要があります。
それぞれ説明していきます。
①読み聞かせ習慣化 目標をみつける
まずは絵本の読み聞かせをする目標を見つけてみましょう。
- 【目標の見つけ方】
- 判断基準とメリットをみつける
- 小さな目標をみつける
目標は挫折しそうな時に役立ちます。
継続できなくなりそうな時に、目標を振り返ります。
そうすることで、なぜ読み聞かせをしたいと思ったのかを思い出すことができます。
人は継続していると、行動しようと思った最初の気持ちを忘れてしまいやすく、それが挫折の1つとなっています。
そのため、面倒に感じるかもしれませんが、まずは目標を立てましょう。
私の場合は、「寝かしつけの誘導をスムーズにして決まった時間に就寝できる」ということが目標でした。
読み聞かせをすることが目標ではなく、寝かしつけをスムーズに行うための手段でした。
長女が4歳になり、興味の幅が広がり体力がついたことで、「まだ寝たくない」と、寝室に移動することを嫌がるようになりました。
どうにか決まった時間で寝室へ誘導したいと思い、長女の好きなことを考えました。
その一つが日中に時々行っていた読み聞かせです。
赤ちゃんの頃から絵本が大好きで読み聞かせをする時は大喜びでした。
そのため、「絵本の読むから、寝室へ行こう」と誘導したのがきっかけです。
これが習慣化したことで、決まった時間に寝室へ移動し、絵本を読み、寝るということがスムーズに行えました。
目標を決めるポイント 判断基準とメリット
目標を決める上で重要なポイントがあります。
それはなるべく具体的にするということです。
さらに言うと、達成できているか、達成できていないかを判断できるか、さらにそれを達成することによる効果をみつけることがポイントになります。
人が何かをする時、何かしらのメリットを求めて行動します。
そのため、そのメリットをみつけることが大切になります。
例えば、「寝かしつけの誘導をスムーズにして決まった時間に就寝できる」が「読み聞かせを毎日する」だとどうでしょう。
前者場合は、寝かしつけの誘導をスムーズにすること、決まった時間に就寝できることが判断基準になります。
この頃はベッドに入ると30分以内には寝るという状況でした。
そのため絵本を読む時間を逆算して誘導します。
すると寝かしつけをするための寝室への誘導も、決まった時間に就寝することも達成されます。
ですが、後者の「読み聞かせを毎日する」だとどうでしょう。
毎日できたか、できないかが判断基準にはなりますが、毎日したことによって何が得られるのかがはっきりしない状態では挫折がしやすいです。
この場合であれば、「読み聞かせを毎日して子供に笑ってもらう」や「読み聞かせを毎日して興味を持つ絵本の幅がひろがる」「読み聞かせを毎日して親子の絆が深まるのを感じる」など。
なぜその行動をしたいのか。
自分や子供にとってのメリットは何なのかを考えることで目標がみつかります。
目標を決めるポイント 小さな目標から
目標を決める時に重要になることは他にもあります。
それは小さな目標をみつけることです。
「よし頑張るぞ」と高い熱量で目標を考えた時、「子供の語彙力を高めるために、読み聞かせを1000冊する」とします。
1000冊というとキリもよく、達成したらさぞかし達成感に満たされることでしょう。
しかし、多くの方がこの目標では挫折します。
それは目標が高すぎて自分を見失いやすいからです。
言い換えると、山が高すぎて山頂も見えないし、今自分がどのあたりを歩いていて、山頂にはどれくらいで着くのかが見えない状況です。
そのため、挫折していまいます。
ではこの場合はどうすればいいでしょうか。
この時に考えるのが「小さな目標」です。
例えば「子供の語彙力を増やすために1日5冊ずつ読む」という目標にします。
すると、1000冊読むためには1000冊÷5冊=200日。
200日÷30日(約1か月)=6.6。
つまりこの目標であれば約6~7か月で達成されます。
このように小さな目標にして、それが自分の考える上で適しているかどうかを考えることが重要となります。
さらに人は原動力がなければ動き続けることができません。
目標の達成というのは原動力になります。
そのため小さな目標を毎日達成していくことが原動力となり、継続され習慣化します。
私の目標も毎日達成することができる内容のため、モチベーションが下がることなく継続できました。
このように「大きな目標」から「小さな目標」を見つける方法もありますが、逆に「小さな目標」から「大きな目標」をみつけることもできます。
必ずしも最初から「大きな目標」をみつける必要はありません。
私のように「小さな目標」を達成していたら、「大きな目標」が見つかったということもあります。
人は達成を繰り返すとさらに成長したいという欲求があります。
そのため無理に探していなくても、習慣化し行動することで「大きな目標」は見つかります。
私の場合はこのように目標が変化していきました。
- 寝かしつけの誘導をスムーズにして決まった時間に就寝できる
- 長女が読む絵本の幅が広がるために、図書館やサブスクで色々な種類の絵本を読む
- 長女が継続する楽しみを知るために、図書館で本を借りてスタンプをもらう
- 長女が達成感を味わい挑戦する心を芽生えさせるために、図書館で200冊絵本を読み賞状をもらう
初めは前述の通り、寝かしつけの誘導でした。
家にある絵本を読んでいくと数に限りがあります。
そのため、図書館や絵本の配送で絵本を増やして読んでいました。
今までよりもたくさんの種類から本を選択できるため、長女が読む本の幅が広がり、様々な興味を持てるようになるといいなと思い、目標をたてました。
この時は、長女が読みたいと言った絵本に加えて、私が選んだ絵本も選択肢にいれて読むようになりました。
結果、長女は今まで興味がなかった、知らなかったことに対して知る機会となり、好奇心が増え、行動的な性格になりました。
図書館で借りていると必然的にスタッフの人とも顔見知りになり、図書館で行っているイベントを紹介されました。
それが200冊読むと賞状がもらえるというもの。
これを知った長女は「賞状欲しい」とやる気に満ちた表情。
読んだ本を記入していき、1冊ごとにスタンプが押せます。
1枚の紙に20冊記入することが出来て、20冊読むと特別なスタンプと景品(缶バッチやしおりなど)がもらえます。
【えほん200冊への挑戦!】現在160冊。スタンプは色んな種類のなかから好きなものを選んで押せる。毎回どれにしようかなと悩みながら嬉しそうに押す。そんな娘から「もうすぐ200冊だね」と満面のえがお。子どもと一緒になにかに挑戦するというのはこんなにも嬉しいことなんだと感じた瞬間。 pic.twitter.com/nwevEN1Fs4
— へいパパ📚子育てKindle作家&子育てブロガー (@hey_heypapa) May 7, 2023
その紙が10枚つまり200冊読むと賞状がもらえるというものでした。
そのためまずは、毎日絵本を読んで、スタンプをもらうことを長女と共有し、継続する楽しみを知ってもらうことを目標にしました。
そして同時に大きな目標として、200冊読み賞状をもらい長女の達成感を味わうことを目標にしました。
結果4ヵ月で200冊の絵本を読み長女は賞状をもらいました。
表彰式をしてもらった長女は満面の笑みとちょっぴり照れた表情。
表彰状を受け取る成長した姿が眩しかったです。
娘は自信に満ちあふれ笑顔だった。ついに図書館で200冊の本を読み聞かせで達成。4年間の人生初となる賞状の授与式。表彰状~といわれ手渡された娘。カウンターのスタッフがみんな拍手で『おめでとう』と声をかけてくれる。色んな表情を見てきたが初めての顔。こんな顔もあるんだと心が弾んだ。
— へいパパ📚子育てKindle作家&子育てブロガー (@hey_heypapa) June 6, 2023
達成感を味わった長女は大きな変化がありました。
それまでは新しことは一歩引いて様子をみるといった性格でしたが、何にでも挑戦し、前に出ていく性格に変化しました。
寝かしつけの誘導を目標にしていた頃には想像しなかった姿です。
このように小さな目標を達成していくと、今では想像しないことを達成し、変化することができます。
②読み聞かせの習慣化 毎日決まったタイミングで行う
人は毎日同じことを継続すると、しないではいられなくなります。
いわゆるルーティンというものです。
例えば「はみがき」を思い出して下さい。
はみがきが習慣になっている人は、決まったタイミングつまり「食後」に行いますね。
やらないとなんだか落ち着かない。
そのような状態が「習慣化」となります。
この習慣化の核となる大切なポイントがあります。
それは日々行う行動の前後で行うということです。
つまり、食事の前後や就寝の前後など毎日必ず行うことの前後です。
私の場合は、寝室へスムーズに誘導するためだったので、寝る前に行いました。
継続のポイント 挫折しやすい時期の把握と対策
ここまで行えたら、もう一つ大切なことがあります。
それは辞めたくなる時期を把握し、対策をすることです。
ポイントになるのは「3」です。
習慣化できない人の多くは、この「3」というタイミングで失敗することが大半です。
そのためこんな言葉が生まれました。
「三日坊主」
人は「3日間」「3週間」「3か月」というタイミングで辞めたくなります。
余談ですが、「3年」というタイミングで、退職者が増えるというデータもあります。
このように「3」というタイミングは習慣化する上でとても重要になります。
そのため「3」のタイミングで継続できる仕組みを作ることで、挫折することなく習慣化することができます。
習慣化の目安は「3週間」つまり「21日間」と言われています。
まずはココを目標に継続してみましょう。
私が行った対策は
- 読み聞かせの絵本は1日に基本1-3冊にする
- 読み聞かせができない日が2日以上続かないようにする
- 図書館のイベントに参加
読み聞かせの絵本は1日に基本1-3冊にする
私は気分によりムラがあります。
そのため「よ~し今日はたくさん読むぞ」という日もあれば「今日はあんまり読む気になれないな」という日があります。
それは聞く側でもある長女も同じです。
そのため、毎日同じ冊数ではなく、その日の状況に合わせて1~3冊と幅を持たせました。
そうすることで、気分や調子による影響で起こるストレスを感じないで継続することができました。
このように継続する時にはストレスを避けるということが、とても大切です。
読み聞かせができない日が2日以上続かないようにする
今まで色々な方法で習慣化の話をしてきましたが、それでも出来ない日があります。
例えばたくさん遊び疲れたことですぐに寝てしまう時や、読み聞かせをする時間に用事が入るなどした時です。
多くの場合、このような失敗体験の時に人は挫折し継続できなくなります。
そのため、行動を開始する前に、ルールを作ることが大切です。
継続したい行動が出来ない場合にどうするかを決めます。
自分の性格に合わせて、行動できない日は2日以上連続させないなどのように設定すると効果的です。
行動しない日が多くなるにつれて、継続が行いにくくなるという特徴があります。
子どもへの読み聞かせだと、急な体調不良などもあります。
その時は体調を優先し、実施できなくても仕方がないということを始めに決めておきます。
事前に決めておくことと、その場(体調不良になってから)で読まないことを決めるのでは、同じ行動でも心理的に異なります。
事前にこの場合はできないということを把握しておくことで、失敗体験と感じずに継続しやすくなり、習慣化されます。
図書館のイベントに参加
前述した通り、1冊毎のスタンプ、200冊読んだら賞状がもらえるというイベントです。
私がよく行く図書館では常にこのイベントが開催されています。
図書館へ行ってみることで、ネットに書いていない情報もあるので、1度行ってみることをオススメします。
今回のように第3者が加わることや、イベント毎のように変化があると、継続で挫折しそうな時に回避することができます。
また、絵本を読むことでもらえるスタンプや200冊読んだらもらえる賞状は心理学では外的報酬と呼ばれるものになります。
これは習慣化や日常的な子育てをする上で知っておくと良いことなので、詳しく説明していきます。
継続するポイント 外的報酬と内的報酬
- 外的報酬:他者から得る報酬
- 内的報酬:自ら感じる報酬
外的報酬とは他者から得られる報酬のことです。
例えば、今回のような賞状や子育てなどではお小遣いなどです。
何かを達成した時に与える物になります。
内的報酬とは何かを達成した時に感じる達成感や何かを継続している時に成長を感じるなど、自分の内面にある喜びなどです。
習慣化など何かを継続する時に、この報酬を上手く活用すると成功しやすくなります。
【外的報酬の特徴】
- 報酬に慣れやすいため、長続きしない
- 始めるきっかけになりやすい
外的報酬の特徴は、持続時間が短いという点があります。
そのため、何度も同じことを繰り返していると、その報酬に満足してしまい、喜びを感じられず継続できなくなるという特徴があります。
外的報酬は次から次へと報酬の価値を望むようになります。
例えば、○○したら10円のお小遣いとしていたが、継続するうちに10円では○○はしないけど、20円ならやるよといったようになってきます。
その点、今回の図書館のシステムはとても上手いやり方だと感じました。
小さな目標である、1冊読んだ時のスタンプ、中くらい目標である20冊読んだ時の大スタンプ、200冊読んだ時の賞状というように、報酬を大きくしたことや、スタンプの種類を増やし飽きさせない仕組みがありました。
また、外的報酬の特徴としては、行動を始める時に行うと継続しやすくなるという効果があります。
始めのうちはそれが行動目的になり、継続しやすくなります。
【内的報酬の特徴】
- 報酬が得られると、継続しやすくなる
- 始めのうちは、報酬を得られにくい
内的報酬は達成感や成長を感じる喜びなど、自分の内面から出てくるものです。
そのため、これを感じることで、さらに継続したくなります。
そのため習慣化には必ず必要な要素になります。
しかし、始めのうちは感じにくいという特徴があります。
当たり前ですが、初めから達成感などは感じられないです。
そのためここで、大切なのが小さな目標です。
小さな目標を達成することで、達成感が生まれます。
この積み重ねが大きな達成感となり、習慣化になります。
1冊の絵本、20冊の絵本、積み上げていくことで、200冊となります。
このように外的報酬と内的報酬を上手く活用することで、習慣化されやすくなります。
今回紹介したようなイベントが近くの図書館でやっていなくても、家で同じようなことは可能です。
賞状などはネットでも簡単に作成することができます。
また、スタンプ以外であればシールなどにしてみるのも良いと思います。
子どもの特徴に合わせてアレンジしてみましょう。
③読み聞かせの習慣化 継続できる環境を作る
習慣化をする上で大切なことは、その行動をするための環境を整えることです。
環境とはどういったことでしょうか?
絵本を読み聞かせるのに適した環境を考えてみましょう。
行動を妨げる要素を可能な限り減らしていくことが重要です。
子どもの興味を引きやすいのは、おもちゃです。
そのためおもちゃがある、リビングなどで絵本を読むよりも、寝室などおもちゃがない環境で読む方が集中しやすくなります。
この他にも『絵本を読んでいるけどじっとしない』ということを解決したい方はこちらの記事がオススメです。
実は○○○○がイライラの要因だったりします。
これを読むことで今の困りごとを解決するかもしれません。
他にも絵本の読み聞かせをする時の環境が必要です。
それは絵本の数です。
本屋さんで絵本を購入するのがシンプルな方法です。
ですが、子どもと一緒に見に行くと商品を破らないか不安になったり、自分で探すと中々良さそうな絵本を見つけるのに苦労したりします。
そこで役立つのが図書館や絵本の定期配送です。
近くに図書館があれば行ってみることをオススメします。
図書館のメリットはやはり、本の種類が多いことと、ジャンル分けされ探しやすいことです。
しかし、子どもが小さいと本屋さん同様破らないかなど心配事もあります。
近くに図書館がない場合や心配事がある方は絵本の定期配送を検討してみましょう。
調べてみると色々な絵本の定期配送があります。
その中で私がオススメするのはこちらの
WORLD LIBRARYです。
年齢に合わせて、世界の絵本をプロが選んでご自宅に毎月配送してくれます。
世界の絵本なので、本屋にはない絵本なども数多くあり、絵本との新しい出会いが魅力です。
このように絵本の読み聞かせを継続する環境を整えることがとても大切になります。
絵本の読み聞かせを習慣にする方法 まとめ
最後に今までのおさらいです。
- 小さな目標をみつけましょう
- シールやスタンプを活用して絵本を読むことの楽しさを味わいましょう
- 小さな目標を達成しながら達成感を味わいましょう
- 毎日決まったタイミングで行いましょう
- 絵本を読みやすい環境を作りましょう
- 幅広い絵本を通して、子どもの成長や新密度を高めましょう
読み聞かせは語彙力、発話力、想像力を高める効果があります。
さらに、親子の信頼関係を高める効果もあります。
ぜひ絵本の読み聞かせをしながら、子どもとの楽しい時間を作って下さい。