「絵本を読み聞かせしている時、子どもがじっとしない」と感じる親御さんは多いことでしょう。
子供が絵本に集中せず、じっとしていない姿に悩むことはよくあります。
そこで今回は、絵本の読み聞かせで子供がじっとしない理由とその対策について詳しく解説します。
なぜ子供は絵本に集中しないのか、効果的な絵本の選び方や、読み聞かせの適切なタイミングと環境、そして親としての対応策と心構えについて紹介します。
また、子供の年齢ごとに適した絵本の読み聞かせ方法についても解説します。
1歳〜2歳の絵本をめくることが好きな子供から、3歳〜4歳の集中力を高めるためのアプローチ、小学生向けの効果的な読み聞かせの方法、高学年でも続けるべき読み聞かせの重要性とコツについて、それぞれ適切な方法を提案します。
この記事を通じて、読み聞かせでじっとしない時の対処法や辛さなくす方法についての理解を深めていただければ幸いです。
- 読み聞かせでじっとしない4つの理由がわかる
- 読み聞かせによるツラさをなくす、対処法
- じっとしない時の具体的な3つの対策
- 読み聞かせで年齢別に合わせたポイント
目次で気になる箇所からお読み下さい。
絵本の読み聞かせでじっとしない理由
読み聞かせでじっとしない理由はいくつかあります。
- 集中できる時間が短い
- 興味がなくなる
- 理解度が合っていない
- 読み聞かせの環境が整っていない
などの理由があります。
それぞれ見ていきましょう。
集中できる時間が短い
子供が絵本に集中しない理由は多岐にわたります。
まず、子供の発達段階によって注意力や集中力が異なるため、年齢に応じた絵本の選び方が重要です。
幼児期は年齢+1分。
つまり5歳であれば6分程度が集中できる目安となります。
小学生は学年×10分が集中できる目安となっています。
- 1年生:10分
- 2年生:20分
- 3年生:30分
- 4年生:40分
- 5年生:50分
- 6年生:60分
つまり集中できる時間というのは、思っているほど長くないということです。
1歳から3歳の子供は絵や音に興味を持ちやすいですが、ストーリーを追うことが難しいという特徴を持ちます。
そのため短い話や明るい絵が描かれた絵本が効果的です。
また、子供は好奇心旺盛で、新しいことにすぐに目を引かれてしまいます。
そのため同じ場所にじっとしていることが苦手です。
ですから、絵本を読む際には、環境を整えることも重要になります。
また、親の読み聞かせの仕方が単調である場合も、子供が興味を持たない原因になり得ます。
声のトーンを変えたり、キャラクターになりきって読んだりすることで、子供の興味を引きつけることができます。
興味がなくなる
遊び方を見ていてもわかりますが、1つのこと集中することが難しいのが幼児期や学童期という特徴があります。
絵本の話に対して興味を持っていない場合は、さらに注意がそれやすくなります。
理解度が合っていない
絵本の話が難しい、または簡単すぎるという状況です。
この場合子どもは飽きやすくなり、じっとしてないことがあります。
適切なレベルの本を選ぶことで、子供の注意を引きつけ、継続させることができます。
読み聞かせの環境が整っていない
本を読んでいる場所の近くにおもちゃなど興味を引くものがあることや、周囲が騒がしい場合、子供は集中できずじっとしていないことがあります。
読む場所は、静かで落ち着いた環境が最適です。
読み聞かせでじっとしない時のツライを減らす逆転発想の方法
読み聞かせでじっとしない時にイライラしたり、辛くなってしまうことがあります。
これは私たち大人がいつの間にか持っている当たり前や固定概念が原因になっています。
そんな考え方を変える研究や方法をシチュエーションに合わせてご紹介します。
- 読み聞かせは、じっとしなくていい
- 読み聞かせは静かに聞かなくていい
- 読み聞かせは、子供がページをめくっていい
読み聞かせは、じっとしていなくていい
読み聞かせをする時、じっとして話を最後まで聞かなければいけない。
そんな風に思っている親も多いのではないでしょうか?
私もそうでした。
でも実は、この考え方がそもそも間違った固定概念だったのです。
子どもは大人が思っている以上に吸収しています。
そのため絵本を読んでいたのに、
- 近くのおもちゃで遊んで背中を向ける
- 急に走り出した
なんてことがありますよね。
こんな時は読み続ければいいのです。
背中を向けていても、走っていても…聞いています。
「いや、絶対聞いてないでしょ」と思うかもしれませんが、
実践みると不思議。
最後まで読み終えると小さい頃は「もう1回読んで」や「終わった」など読み終えたことに反応し、年齢を重ねると「○○のところ面白かったね」というように、内容に関する感想などを言ってきます。
もちろん遊びに集中して全く反応がないこともあります。
ただ、それでも続けてみて下さい。
繰り返していると、少しずつ反応が変わることに気が付きます。
なんだか前よりも長く聞いている。
そう実感できることでしょう。
私自身このことを知り、読み聞かせは
完璧を目指さなくてOK!
最後まで集中して聞かなくてOK!
となり、読み聞かせのハードルが下がり、心が楽になりました。
親子の至福の時間である読み聞かせの、はずなのにストレスを溜めていたらもったいない。
実は静かに聞かなくていい?
読み聞かせは静かに聞く。
こんな固定概念はないでしょうか?
新生児や0歳であれば、まだ静かに聞くなんてことはできなくても当たり前と思っていたことが、成長に伴い「もう○○歳なんだから、静かに聞いて」なんてことになりますよね。
自分の中にある「当たり前」という基準。
ただ世界にはこんな読み聞かせ方があります。
それはアメリカで研究された「ダイアロジック・リーディング」です。
ダイアロジックリーディングとは、絵本を読みながら子どもに質問を繰り返すことで、思考を深めていくという読み方です。
ダイアロジックリーディングについて詳しくまとめた記事はこちら
例えば、絵本の絵を指さし「花があるね」や食べ物の絵をみて「おいしそう」などと言ったりしますよね。
始めの頃はかわいいなと思っていたはずなのに、いつの間にか「静かに集中して聞いて」となります。
こんな時は「きれいな花があるね」と反応することで、言葉を吸収している段階であれば「きれい」という言葉を吸収します。
「この花は何色?」と聞くことで色を知ることや、思い出すことに繋がります。
「おいしそうだね。○○ちゃんは何が好き」と聞くことで自分の好きな食べ物を考えるきっかけになります。
こうした言葉のキャッチボールが自然と行えるのが、このダイアロジックリーディングの良いところです。
これを長女と次女に実践しましたが、言葉が増えたのを実感しました。
特に読んでいる絵本のジャンルの語彙が伸びるようになりました。
読み聞かせは子供が絵本をめくっていい
「今ここを読んでいるの。めくらないで」
そんな風につい、言ってしまいますね。
でもそれでいいんです。
子どもが集中できる時間は発達により違います。
最初から最後まで集中が続くのは子供の成長によって変わってきます。
「ページをめくる」という行動は指先を使う行動です。
実は指先って発達でかなり重要な動作って知っていましたか?
指先は脳の支配領域が広いという特徴があります。
つまり、指先を動かすことで脳の色々な部分が活性化します。
また、指先を使うことで脳の血流量が10%上昇するとも言われています。
そのため、今度からページをめくられた時は「あぁ今は指先の練習か」と気楽に考えましょう。
読み聞かせで、じっとしない時の具体的な対策
考え方は理解できたけど、具体的な対策を知りたいという方のために、今日からできる対策をご紹介します。
- 走り回る場合の対処法
- 興味を持たせる方法
- 読み聞かせの心構え
じっとしないで、走り回る場合の対処法
子供が絵本を読んでいる最中に走り回る場合、その対処法も重要です。
まず、環境を整えることから始めます。
部屋を静かで落ち着いた空間にし、玩具やテレビなどの注意を引く要素を取り除きます。
また、子供のエネルギーを発散させる時間を設けることも大切です。
公園で自由に遊ぶ時間や体を動かす時間を作ることで、絵本を読む時間に集中しやすくなります。
そして、読み聞かせの方法も工夫します。
声のトーンを変えたり、キャラクターの声色を使い分けたりすることで、子供の興味を引きつけやすくなります。
さらに、あらかじめルールを決めておくことも効果的です。
発達学では4歳半ごろから、約束やルールを理解できるようになってきます。
家庭内や保育園、幼稚園でのルールを掲示し、子供に守らせることで、走り回る行動を少しずつ抑えることができます。
「絵本を読むから、横で座って聞いていてね」
このように事前に行う行動を具体的に伝えることがポイントになります。
絵本に興味を持たせる方法
子供が絵本に興味を持つようにするための方法は、いくつかあります。
まず、親が積極的に絵本を読んでいる姿を見せることが重要です。
親が楽しそうに絵本を読んでいると、子供も自然とその楽しさを感じ取ります。
また、子供が興味を持ちそうな内容の絵本を選ぶことが大切です。
動物や車、魔法など、子供が好きなテーマを取り入れた絵本を選ぶことで、自然と絵本への興味が湧きます。
子どもの興味がわからないといった場合は、子ども自身に選んでもらいましょう。
子どもが自分で選んだということで、興味が長続きしやすくなるという効果もあります。
さらに、絵本を読む時間を特別なイベントとして演出することも効果的です。
例えば、寝る前のリラックスタイムや特定の時間に読み聞かせの習慣を作ることで、絵本に対する期待感を高めることができます。
親の対応策と心構え
親としての対応策や心構えも重要です。
子供が絵本に集中できない時にイライラするのではなく、息子や娘がどのように感じているかを理解し、共感することが大切です。
親自身が絵本を楽しむ姿勢を見せることで、子供もその楽しさを感じとります。
また、読み聞かせの時間を固定するなどのルーティンを作り、習慣的に続けることで、子供も次第に落ち着き、じっと話を聞くようになるでしょう。
私が絵本の読み聞かせを習慣化させ、長女が4歳の時に4か月で200冊の絵本を読みました。
読み聞かせを日常的に行いたいけどなかなか続かないという方。
習慣化はガムシャラに行ってもできません。
本業の仕事で多くの方に習慣化を成功させてきた私が、人の本質や心理学を活用させて行う習慣化の原則を紹介しています。
読み聞かせ以外でも共通する原則なので、何かを継続したいという方はこちらを読んでみて下さい。
少し脱線してしまいましたが、親としてのサポートが子供の成長に大いに影響を与えることを忘れずにしてください。
辛くなったときは、逆転発想を思い出してみて下さい。
子供の年齢別絵本の読み聞かせ方法
良い絵本の選び方は、子供の年齢や興味に応じて変わります。
まずは、冒険や魔法、動物など、子供が興味を持っているトピックに基づいて絵本を選ぶことが大切です。
また、絵が鮮やかで感情豊かに描かれている絵本は、子供の想像力を刺激します。
ページ数や文字の量も考慮する必要があります。
小さい子供には、短い話やリズム感のあるテキストが効果的です。
一方、小学生になると、より複雑なストーリーやキャラクターが登場する内容が適しています。
それぞれの年齢に合わせたオススメの絵本の見つけ方を紹介します。
1歳〜2歳:絵本をめくるのが好きな子向け
1歳から2歳の子供にとって、絵本をめくること自体が楽しい体験です。
この年齢の子供は、明るい色彩や大きな絵が描かれた絵本に興味を示します。
また、シンプルで短いストーリーやリズム感のある内容が効果的です。
ページをめくるごとに新しい絵が現れることで、子供の好奇心をくすぐります。
この時期には、親が絵を指さしながら話しかけることで、言葉の発達も促進されます。
たとえば、「これは犬だね、ワンワン」というように繰り返し説明することで、子供は新しい語彙を習得します。
3歳〜4歳:集中力を高める読み聞かせ
3歳から4歳になると、子供の集中力が徐々に向上してきます。
この年代では、ストーリー性のある絵本が効果的です。
感情や感覚を理解する力も育ってきているので、キャラクターの感情を表現した絵本を選ぶことが大切です。
また、親がキャラクターの声色を変えたり、ストーリーに合わせた表情を作ったりすることで、子供はより深く物語に引き込まれます。
この年齢では、質問を投げかけることも効果的です。
「次に何が起こると思う?」といった問いかけをすることで、子供は自分の考えを言葉にする力を育みます。
小学生:読み聞かせの効果と進め方
小学生の子供に対する読み聞かせでは、より複雑で長いストーリーに挑戦することができます。
読み聞かせを通じて、子供は読解力や批判的思考力を養うことができます。
また、物語の中で登場する倫理的な問題やキャラクターの選択について話し合うことで、道徳的な価値観を育むこともできます。
この時期には、親子で一緒に感想を述べ合う時間を設けることもおすすめです。
たとえば、「このキャラクターの行動についてどう思う?」といった問いかけをすることで、子供は自分の意見をしっかりと持つことができます。
高学年:読み聞かせの重要性とコツ
高学年になると、子供の読解力や想像力がさらに発達します。
この時期にも読み聞かせを続けることの重要性は変わりません。
読み聞かせを通じて、子供はさまざまな視点や価値観を学びます。
また、親子で同じ本を読み、意見を交換することで、より深いコミュニケーションが生まれます。
この年代では、歴史や科学、ファンタジーといったさまざまなジャンルの絵本を取り入れることが効果的です。
読み聞かせでじっとしないことを気にせず読み続けよう
絵本の読み聞かせは、子供の言語発達や脳の成長、親子の絆を強めることに大いに役立つ重要な活動です。
親としての対応や工夫次第で、その効果を最大限に引き出すことができます。
子供が絵本に集中できない場合や、走り回る時の注意の仕方も含め、適切な方法を知ることで、より良い親子関係を育て、子供の成長を楽しみましょう。
そもそも読み聞かせの時間は親子にとって密接に関われる時間です。
こうした時間は親子の信頼度を高めてくれることでしょう。
読み聞かせにはどんな効果があるのでしょうか?
実は発達に合わせたコツがあります。
絵本読み聞かせの基礎になる情報はこちらの記事で紹介しています。
【読み聞かせをするママ・パパへ】
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